
聴覚障害がある人とのコミュニケーションをもっとスムーズに♪おたすけアプリのご紹介
投稿: 2017.10.03 16:26
文: かんかん
日頃それほど気に留めずにいる人も多いかもしれませんが、聴覚に障害をもつ人は意外と身近にいるものです。平成18年度の国の調査で分かっている日本の聴覚障害者数は、18歳以上で34万3000人、18歳未満で1万5800人。つまり、およそ1000人に3人が聴覚障害者なのです( 出典 厚生労働省:平成18年身体障害児・者実態調査結果(平成18年7月1日調査)http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/shintai/06/index.html)。
いわゆる障害には区分されませんが、年をとって耳が遠くなった「老人性難聴」の人まで含めて考えると、親戚やご近所付き合いの中に心当たりがある人もいるのではないでしょうか?今回は、「聴こえ」に問題がある人ともスムーズにコミュニケーションをとっていける、そんなアプリをご紹介します。
筆談パット
「みんなの声で選ぼう! だれもが使えるウェブコンクール」でアクセシブルデザイン賞を受賞!とてもシンプルなアプリで簡単に取り入れられるのも魅力です。聴覚障害のある人とのやりとりはもちろん、たとえば風邪をひいてのどが痛く、声が枯れてしゃべりづらい・・・そんな時にも助かります。普段の生活場面でも、図書館など静かにしておくべき場所などでの筆談にも便利。会議中に隣の人とちょっとした確認をしたい時にも重宝しています。
- ここがポイント
- きわめてシンプル
- 2分割画面で対面の人と読み書きしやすい
- 背景色、ペンの色と太さを変更できる
アプリを開くとこんなシンプルな画面が表示されます。右端の設定アイコンを開くと、背景の色、ペンの色、太さなどを変えることができます。
字幕の説明文は自分の好きな文章を追加することも可能。カメラマークをタップすると簡単に画像を保存できます。あとで確認したい時に助かりますね。
また、相手に呼びかけるための「呼び鈴」機能もあります。ノック音やオルゴールなどのほか、設定したことばを自動読み上げして相手に呼びかけることができます。
使い方もとても簡単!手書きでさっと入力して、中央の×アイコンで消去するだけという超シンプルなアプリです。まず筆談したい相手との間にタブレットを置きます。自分側と相手側の領域にわかれており、自分側に文字を書くと相手側の領域にも反転して表示されます。どちら側に書いたかで色がちがうので、自分が書いたのか相手が書いたのかはっきり区別できますね。
文字だけじゃなく自由に書き込めるので、地図やイラストで説明することもできます。線の太さを細くしておくと見やすいですよ。
シンプルな使い勝手や、それぞれが書いた色がちがうことを活かして、こどもとの外出時の暇つぶしにも利用しちゃいましょう。小学生の頃に紙と鉛筆であそんでいた「棒取りゲーム」など、懐かしいあそびも意外とたのしいものですよ♪
じゃんけんで勝った方がマス目を埋めていく「陣取りゲーム」もなかなか好評でした。
画面は縦にしても使えます。
全画面モードにして、大きなボードとして使用することもできます。
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筆談パット(Appのみ)
SpeechCanvas
SpeechCanvas(スピーチキャンバス)は、情報通信研究機構(NICT)の研究成果である高精度な音声認識技術を活用して開発された、聴障者と健聴者とのスムーズなコミュニケーションを支援するアプリです。健聴者はふつうに言葉を話し、聴覚障碍者は筆談で応えることができるため、コミュニケーションがスムーズに!聴こえにくさのある親しい人との会話はもちろん、店頭での接客サービス、職場や学校、生活のさまざまなシーンで活用できます。
- ここがポイント
- 音声と筆談での会話がスムーズ
- 指で簡単に修正が可能
- 電波の届かない場所でも使える
アプリを開くと、上下に操作ボタンが表示された画面になります。このボタンはタッチしたまま好きな場所に動かすことができます。中央のバーの上が「認識結果表示エリア」。音声入力したものが表示されます。下側が「手書きエリア」。指やペンで自由に描けます。また、バーをタッチしたまま上下に動かすと、表示エリアの幅を変えることができます。
使い方に迷ったらヘルプボタンをタップしましょう。それからボタンやエリアをタップするとそれぞれの使い方が表示されます。
マイクのボタンが「音声認識ボタン」。こちらをタップするとマイクの周りにくるくると表示が出て音声認識を開始!話したことばがスムーズに文字なって表示されます。
コツは機器のマイクに口を近づけることと、少しゆっくりめに話すこと。文章と文章の間に少し間を開けて話すと、より確実に変換できるようです。ふりがな表示もできます(iosのみ対応)。文章の左側にある×印をタップすると、その文章を消去することができます。
手書きエリアに書いたものは、「元に戻すボタン」をタップすると最後に書いたものから順番に消すことができます。全部消去したい時は「クリア」をタップ。音声認識エリア、手書きエリアのすべてをクリアしたい時はダブルタップしましょう。
音声入力したものの途中でまちがいに気付いた時は、その部分だけ修正することも簡単♪まず修正したい箇所の上に一本線をひきます。そうすると<<音声録音中…>>のダイアログが出ますので、修正したい内容を話せばそれでOKです。
キーボード入力で修正する場合は、修正したい箇所の下に線を引いた後、片方をはね上げます。ダイアログが出ますので、そこに正しい内容を文字入力すればOK。他にも音声で挿入したり、一部分を削除したりすることもできます。
よく使うフレーズはお気に入り登録しておくと便利。音声・キーボードどちらでも入力できます。文章だけでなく画像も登録できますよ〜。例えば、よく担当するスタッフの顔写真を登録しておいて選んでもらう、レストランでランチメニューを選んでもらうetc.・・・お互いにストレスなくやりとりがしやすくなるのではないでしょうか。
サーバに接続できない場合でも、組み込み型の音声認識を使用して、話した音声を文字に変換することができます。
こえとら
さて、聴覚障害がある人向けのアプリもご紹介したいと思います。「こえとら」はSpeechCanvasと同じく情報通信研究機構(NICT)によって開発されたアプリ。SpeechCanvasが聴覚障害の方が訪れる事務所や店舗などに設置して使用することを想定しているのに対し、「こえとら」は聴覚障害の方が持ち歩いて街中で健聴者と会話するときに便利なアプリです。
- ここがポイント
- 音声と筆談での会話がスムーズ
- 文章を音声で読み上げる機能あり
- 複数台の端末を接続して会話をたのしめる
こえとらを開いてみてまず印象的なのが、見やすくわかりやすい画面!各ボタンの下にわかりやすく表示されているので、初めての人でも簡単に操作することができます。トップ画面の「使い方」から説明を見ることができますが、こちらも写真やイラスト入りでわかりやすいです。
入力は音声でもキーボードでもOKですが、定型文を利用するのも便利です。「定型文ボタン」をタップすると、あらかじめ登録された会話帳リストが出てきます。その中から伝えたいものを選んでタップすると、その文章を自動読み上げ。相手の人が文字を読まなくても伝わるので、会話がよりスムーズに進みそうですよね。
文章が表示されるエリアの右側にある矢印マークをタップすると、回答の選択肢が表示されますので、それを相手に選んでもらって会話を進めていきます。音声で入力したい場合はマイクのマーク「音声で伝える」ボタンをタップ。音声入力中画面に変わります。
定型文がたくさんあるのも魅力のひとつ。こちらをうまく利用してテンポのよい会話をたのしみましょう♪よく使う文章を登録したり、種類別に分類したり・・・自分に合った設定ができるので、使いたい定型文をスムーズに選択できますよ。動物や季節物のイラストも充実。SNSに慣れた人にとってはこういう絵文字があるのもうれしいですよね。
地図を見ながらのやりとりや、自由に手書き入力して伝えることも、ボタンひとつで簡単にできます。
設定も自分の好みに合わせられるよう、こまやかな気配りがされています。自動的に音声読み上げするかどうか、その際にバイブレーション連動させるかどうかなど、耳が聞こえない人にとっては助かる機能だと思います。また、耳を近づけるだけで録音モードになる機能なども!チャット機能もあるので、親しい仲間同士ではこちらを利用するのもよさそうです。
やさしい手話サイン
手話でのコミュニケーションにも興味がある方にはこちら。「やさしい手話サイン」は、かわいいイラストで簡単な手話を覚えることができるアプリです。
- ここがポイント
- わかりやすいイラスト解説
- 探しやすいカテゴリー分類
手話なんて全然わからない・・・どこから手を出していいものやら・・・そんな人でも大丈夫!確かに文章にして話せるほどとなると難しく思えますが、よく使う単語がわかれば意外とやりとりは成立するものです。
トップは明るくてはっきりわかりやすい画面。生活に密着した単語や、簡単なあいさつ、感情表現など、すぐに使えることばが探しやすいカテゴリーになっています。「恋愛関係」なんてものもありますよ♡
かわいく見やすいイラストに、わかりやすい解説が添えられています。実際にやってみると覚えやすい動作が多いです。さあ、Let’s try!
Mimi ヒアリングテスト
ここまでコミュニケーションツールとしてのアプリを見てきましたが、ところで自分自身はいったい大丈夫なんだろうか!?うちのおばあちゃんはどれぐらい聞こえているのかしら?・・・そんな疑問や不安が生じた人もいるのではないでしょうか?
そういった場合におすすめなのが「Mimi ヒアリングテスト」。こちらは聴力を調べることができるアプリです。いわゆる耳年齢だけではなく、自分がどの周波数をどれだけ聴けるのかなどの聴力データを、正確かつ詳細に確認できるとのこと。会員登録をすることで自分の聴力変化を記録することもできます。詳しいことは耳鼻咽喉科にて相談するのが一番ですが、気軽にチェックできるのは助かりますね。
- ここがポイント
- 短時間で本格的な聴力テスト
- スタイリッシュなデザイン
まずは名前、メールアドレス、居住国などを登録。それからヘッドフォンかイヤフォンをセットして、簡易聴力テスト開始です。方法はとても簡単!様々な音程のピープ音が流れてくるので、聞こえている間はボタンをタッチ、聞こえなくなったら指を離します。iPhoneに付属のApple純正のイヤフォンに最も最適化されているとのことですが、手持ちのものでも特に支障なくできました。
片耳ずつ検査を終えると、聴力成績が表示されます。また、聴力図をPDFでメール送信してくれますので、不安があった場合はこれを病院受診する際に持参するのもいいかもしれません。
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Mimi ヒアリングテスト(Appのみ)
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